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「………ねぇ、名前なんて言うの?」
運転をしながら聞くも、少年は流れていく景色を見つめるだけで何も答えない
「じゃぁ勝手に呼ぶね。そうだな………君の周り、猫がいっぱい居たから…マオ……でいいかな?」
尚も少年は答えない
答えるどころではなかったのだ
街に近付くにつれて、街の人々の【痛み】が伝わり始めたのだ
「…はい、着いたよ」
アキラは、初め少年が居た路地を近くに車を止めた
「……また会おうね……マオ」
少年は何も言わずにフラフラと路地の奥へ歩いていった
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