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どうやって戻ってこれたのか思い出せないが、マオは一週間近く前までに暮らしていた路地のいつもの場所に横になっていた
街中の痛みは、今のマオには皆無だった
そのかわりに、締め付けるような痛みと共に何か引っ掛かるようなアキラの微かな痛みがマオの体を支配をしていた
―………なにが、どうしたんだろう……―
横になりながら、マオは静かに考えた
―………騙されていたのが、辛かった―
この世の中、人を騙すような人なんてのは五万といる
ただ、アキラには嘘をつかれたくなかった
―………それだけなのに…―
締め付けるような痛みを和らげるやように、マオは胸辺りを握ると少し無理に眠った
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