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「…………話、なんだけど……」
暫くの沈黙の後、重くアキラが口を開いた
「……俺、なんでも屋やってる、って言ったよね?…実は、マオのお母さんからマオを探すように言われてたんだ」
淡々と、告げられていく真実
「……でも、あの路地で会ったのは本当に偶然なんだ。最初マオを見た時、俺……」
そこまで言うと、不意にマオが立ち上がった
「………マオ…?」
「…………もう、いいですよね……失礼します」
胸の辺りを抑えながら路地の奥の方へと歩きだす
「待って…!!」
アキラはマオの腕を引くとそのままマオを抱き締めた
ズキッ、とマオの痛みが鋭いものへと変わる
「俺は、マオが好きだ!…あの人には一週間居させてほしいと頼んだ。だけど正直言って、マオを帰したくなかった……側に居てほしかった。俺に【痛み】がないって聞いた時、驚いたけど凄く嬉しかった…側に、居られるかもって……。騙してた事は本当にごめん……でも
全部、事実なんだ」
離さないとでも言うように、強く抱き締める
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