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暫くすると、落ち着いたのかマオの涙は止まっていた
「………落ち着いた?」
「……はい…」
マオは恥ずかしげに俯くと小さく頷いた
「……顔、上げて」
「………ん、……」
アキラがマオの顎を掴んで軽く上げる
アキラの唇がマオのそれに触れる寸前
「ンナ゛ー」
マオは唇ではなく、頬にざらついた感触を感じた
「………そういえば、連れて来たんだった」
アキラは苦笑するとそっとマオから離れた
幾匹もの猫がマオの周りに集まり、涙を舐めるように頬や目許を舐めていく
「………マオ、行こうか」
マオは優しく出された手を取ると、そのまま猫達と共に車へと乗り込んだ
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