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「――こんな所にいたのか。」
俺はそう言って探していた彼女に言う。
何故か彼女の周りには5人前後の男共が。
「おっす。何わざわざ探しに来たのか?」
彼女は飄々と言った。
この状況をわかっていて言っているのだろうか。
「…また喧嘩売ったのかよ…」
呆れたように俺は言う。
さり気無くため息をつきながら。
それに気付いた彼女は少し怒ったようだ。
「売ったんじゃない。つか売ってきたのはこいつ等。オレは買ってやったの」
威張りながら俺に言う。
この言葉に俺は更に呆れた。
「…結局は同じ事だってわかってるか?」
顔を手で押さえる。
「買うのと売るのは違うだろ」
「…そういう意味じゃねぇっつの」
こいつと話してると疲れるのは俺だけだろうか。
俺は脱力して、その場にしゃがみ込んだ。
「…オレ間違ったこと言ったか?」
腕を組んで首を傾げている彼女。
(…こいつに常識は通じないんだった)
「とりあえずお前はもう少し…――」
「…んの、クソ女ぁ!!」
突然さっきまで倒れていた男が起き、彼女に殴りかかる。
あまりに突然すぎて、俺は反応できなかった。
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