決意

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決意

味噌(あじそ)源一は、矛先の向けようのない怒りに頭を抱えていた。 (クソッ!手を伸ばせば届く位置に奴がいるのに…) 彼の両手からは異様な香りが漂っていた。大量に付着した、赤・白それぞれの味噌が混じり合って放つ強烈な匂いだ。 (クソッ!) この状態からまた元の二種類に分けることは、もはや誰の目にも不可能だった。 「ちきしょーっ!!!」 心のなかではなく、今度は声にして叫んでみたが、もう手の打ちようがないことは彼自信が一番よく分かっていた。
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