648人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな訳で、適当な気持ちで入学した僕は。
国家資格を取らせる為の教育機関である看護学校のカリキュラムの厳しさはホケホケ遊んでいられる様な感じではなく、こんな筈じゃなかったのになぁ
なんて思ったり。
確かに女の子はいっぱいいるけど、こいつら絶対僕や若干名の男子を男だとは思ってない様子で。
学生時代の三年間は、女子校に迷いこんだような、居心地の悪い思いをしたり。
当てが外れ、楽しかったとは言い難い学生生活だったけど、辞めようと思うきっかけもなく。
それなりに真面目に勉強に勤んだおかげで、資格も取れ就職も出来たんだけど。
真面目に看護に取り組もうという気持ちに欠けていた僕は、就職して三ヶ月経った今、新人指導(プリセプター)ナースに、プライドがズタボロになるまでしごかれているのだ。
白衣の天使なんて、世間じゃナースに勝手なイメージ持ってるけど、よく考えたらハードな環境で、バリバリ働いてる女達の集団なんだから、気の強い女達の集団なんだよなぁ。
今更気がついても遅いけど。
毎日仕事行って、家に帰っても、先輩から出された宿題やって。
彼女欲しいけど、遊ぶ暇もなく、だからと言って手近の同業者で済まそうなんて、そんな恐ろしいこと、死んでも嫌だ。
事情を知らない、悪友達はナースに囲まれた環境が羨ましいなんて言うけどーー男は白衣に自分勝手な幻想を持っているらしいーー現実なんてこんなものだ。
あぁ、なんか良いことないかなぁ。
なんて心の中で呟く事しか出来なくて。
淋しすぎだよな……
最初のコメントを投稿しよう!