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妖艶に色っぽく化粧を終えたジウは拳銃のエネルギーパックを確認すると、ホルスターに入れ急いで部屋を出て行った
マライアの部屋の前までくると再び扉を蹴飛ばし叫んだ
ジウ
「マライア!まだか!行くわよ!」
するとマライアが扉を開け慌てふためくように出てきた
ジウは既に司令室に向けて歩きはじめていた
マライア
「ジウ…待って、まだピアスが…」
マライアはピアスを耳に取り付けながらジウの後を追う
ジウが振り向き諭すように言った
ジウ
「ピアスなんて後にしなさい!急ぐわよ」
マライア
「そんな事言ったって!ジウだって下着ぐらいつけなさいよ!」
ジウ
「えぇーい!うるさい」
マライア
「知ってるんだから、ノーパンノーブラでいつもいる事」
ジウ
「そんなのあたしの勝手でしょ!」
まぁいつもの事で…二人はなんやかんや言い合いながら司令室へ向かった
先ほどからサイレンと共に艦内放送が流れている
内容は未確認飛行物体がコロニーに近づいていると言うものだった
司令室に入ると既に他の者たちが集まっていた
二人は目の前にいる警視に敬礼をすると列に並んだ
轟警視…その優秀な統率力により日本の警視庁からこのワスプの第72番艦ブルーウィプスの艦長兼任として抜擢された言わずと知れたこの警邏隊のNo.1である
宇宙軍にいたこともあって宇宙母艦の航海術も心得ている
WASUP(ワスプ)とは宇宙歴が始まった70年代に結成された宇宙安全保障条約機構の事でポリスと最後に付くものの実際には宇宙空間の安全保障全域を守る機関である
主に世界の優れた警察官や元軍人などで結成されている
組織的には警察とあまり変わらないのだが
轟警視
「お前等遅いぞ!化粧のノリでも悪かったか?」
二人は縮こまりながら応えた
「…す…すみません…」
ジウ
「マライアが化粧に手間取っていて…」
マライア
「何言ってるの!化粧は女性のみだしなみでしょ!」
警視が睨むと二人は黙りこくった
轟警視
「…ったく、これだから女性と言うものは…」
ジウ
「警視!それは差別的…」
警視につっかかっていくジウをマライアが口を手で封じ抑えつける
マライアは申し訳なさそうに会釈をした
轟警視
「まぁいい…とりあえずこれを見てくれ…ジラルド」
ジラルドはこの艦のオペレーター、艦を動かすCPU全般を管理している
ジラルドが座席ごと後ろを振り向くと返事をしながら回線を艦の外部カメラへとつないだ
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