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春眠暁を覚えず
お前のいない世界を
愛せる筈などない
ぶわっと春特有の淡い風が通り過ぎた
『ボフンッ』
10年後バズーカの効き目が切れて、獄寺君より先に俺は戻ってきた
「………リボーン…。」
ほとんど無意識で紡いだお前の名前
「なんだ?」
「!!えっリボーン?!」
返ってくる筈のない返事が返ってきた事にひどく驚いた
「ったく何言ってやがるダメツナが。お前が俺の名を呼んだんだろうが。」
「あっ…。本当…に?」
お前はもう返事はしなかったが代わりに鼻を一度鳴らした
「おいっ何泣いてやがる!」
「え?」
言われて初めて気付いた
「………10年後で…。」
「え?」
「10年後で何を見た。」
「!!………。」
本当は今すぐお前に問い質したい事があるのに、聞いて…んな訳あるかって…否定していつもみたくあの一歳児らしくない笑いを見せてよ…
「どうした?」
優しい言葉何てかけないでよ
年甲斐もなくお前に縋って泣き付きたくなる
「なんでもないんだ。なんでも…ないんだ。」
「そうか…。」
俺に出来る事は何でもしよう
俺の犠牲で君達心優しく強い戦士を救えるのなら
喜んでこの命差し出すから
世界が壊れたってかまわない
お前が笑っていられるのなら
だから………
どうか今だけは
俺の側に居てくれよ。
『ボフンッ』
獄寺君も帰ってきた。
この部屋の何とも言えず気まずい雰囲気に気圧されながらも俺の無事を確認してくる獄寺君。
あぁ…心地のよい春風にのって…
俺のこの憂鬱も…
流れてしまえばいいのに
――――春眠暁を覚えず
今は…何だかひどく…
眠いんだ………
END
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