第二章[愛の実]

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[12]M(ミカ)    ミカが夜ベッドで、うとうと過ごしていると携帯電話が鳴った。    ぼんやり、ディスプレイ画面も見ないまま電話に出た。    「ミカちゃん?」    男の声。  誰だかわからなかった。    「もしもし、ミカちゃん?」    「…は、はい?」    「あの、アキラなんだけど。わかる?久しぶり。」    ミカは目が覚めるように意識が呼び戻された。    「突然、ごめんね。前、ジュンが電話した履歴が残ってたんで、勝手だけど電話かけちゃった。」    「い、いえ、構わないですけど。今ジュンも一緒なんですか?」    「う~ん、ジュンには内緒で電話かけたんだよ。実はジュンのことで、ミカちゃんに相談に乗ってもらいたいな、と。いいかな?」    ふとジュンの顔がよぎったが、アキラとひそかに話ができるのは楽しいかもしれないと思った。    「私でよければ喜んで。力になれるかはわかりませんが。」    ミカはさりげなく装って答えた。    アキラはジュンのことを、2時間近く話した。  所々に、こういうのは同級生としてミカちゃんならどう思う?と聞かれた。    ミカはジュンをフォローしつつ、自分ならこうだときちんと答えた。    アキラはジュンに振り回されているようだったが、あながち深刻な相談とは受け取れなかった。しょせん、恋人の間としての問題だろうし…。    「困ってるんだけど、ガマンするしかしかたないよな。」   と、何度も繰り返すアキラだったが、ジュンが原因で困らせているということは改めてよくわかった。  
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