それはまだ種にも及ばなくて

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――――― ――― ― さっきまで自己主張していた太陽は雲にかき消されていた。 そのくせ青空は平然と青いままでいる。 黒板の前では数学教師が6時間目の授業を必死に教えているが、生徒のほとんどは夢の国へ冒険しに行っていた。 先生よ、あの壮大な青空に吸い込まれてしまえ… くだらない事を考えていると授業終了のチャイムが響いた。 「では切りが良いのでここで終わり」 授業を聞いて居なかった俺としては切りが良いなんてどうでも良いのだが皆もきっと同じ考えであろう。 号令係の6時間目の終わり特有の声を聞くと解放感がやってきた。 関係ないがこの学校の6時間目の終わりの号令というものは、皆どの授業でも喜び混じりの声になっている。 まぁどうせ、そんなどうでもいい事気付いたのは暇人の俺だけであろう。 結局あれから『奴』が話し掛けてくることはなかった。 まぁ今日初めて話したのだから当たり前といえば当たり前だ。 .
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