それはまだ種にも及ばなくて

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椅子に座ったまま伸びをしていると晴が俺の机の傍に寄ってきた。 「掃除終わったら一緒に帰ろ?」 その言葉に適当な了解の意味を持つ言葉を返してやると晴は笑顔で自分の掃除場所へ走って行った。 もう掃除の時間は始まってる。 俺も行かなくてはならない。 行こうが行きまいが掃除する気なんてものは初めからないのだが、行くだけ自分は真面目だと思う。 晴は去年同じクラスで仲良くなった奴だ。 何中学から来たとかは一切忘れた。 むしろ興味がない。 薄情だと思うかもしれないが俺にとってはそれで良い。 肩書きなんて要らないから、その分一緒に居て欲しいという感じの奴なのだ。 生憎2年生になってからはクラスが変わってしまったが、2年は選択授業が多いので今みたいに同じ授業で会える事がある。 それが俺は嬉しい。 言っておくが俺にそんな趣味があるわけじゃなく、友達として仲良くしていてほしいと言う意味なわけで。 .
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