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中は暖かく結構綺麗であった。あと、棚に不自然に大きなカゴが2、3個あった。
『慶、何か飲む?』
『えっ?ああ、何か暖まるものが欲しいな』
『う、うん。そうだよね。まずはお互い暖かくなってからだよね』
と意味深な言葉を言って、ソワソワしながら台所らしき小部屋に入っていった。
(何なんだ?)
慶は不安になって、これからどうしようか考えようとしたが、水樹はすぐに戻ってきた。
『はい、どうぞ』
水樹からオレンジ色の飲み物を渡された。
『なぁ、この飲み物は紅茶か何かか?って、お、おいっ!』
ゴクゴクゴクゴク
水樹は一気にそれを飲み干した。
意味ありげに慶を見て、そしてベッドらしき所に横になりながら見つめてきた。
ゴクゴク
慶はとりあえず飲んだ。
それは結構甘く柑橘系の味がした。
そして水樹の方をみた。
当然の事ながら目が合う、水樹の頬が赤くなる、そして沈黙…
・
・
・
・
5分位がたった。
先に話しかけたのは慶だった。
『な、なぁ』
『……………。』
『どうかしたのか?』
『……………。』
『まさか、具合悪いのか?顔赤いし』
と、慶が言った途端に水樹が眉をひそめて、
『んもう、こういう事はオスからするんでしょ!…わ、私は、は、初めてだか全然分からないから。優しくお願いね…』
もじもじしながら言った。
『こういう事ってなんだよ?何する気なんだよ?』
慶は堪らず聞き返した。
『だ、だから……そ、その…』
『だから?』
慶が聞き返すと、水樹はさらにもじもじして
『こ、こ………び』
『へ?』
『だから、こ、交尾よ、交尾!!』
『はいっ?!』
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