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『くっ!不覚だったわ!』
カレンが悔しげな顔して言った。
『うふふ、そっちのお嬢さんはどうしようかしら♪』
『お、お嬢さんってもしかして……俺のこと?』
『決まってるじゃないの♪……あなた、この地域じゃ見ない顔ね。』
『ほっとけ。それに俺はお嬢さんじゃないっ!れっきとした、お・と・こ!この世界で言うオスだ!間違えんな!』
慶はしっかりと主張すると、
『……へぇ~、オスなんだぁ。』
その女は妖しく目をひからした。
『慶さんっ!逃げてください!』
その様子に気付いたカレンが叫んだ、
『で、でも…』
慶が躊躇していると
『私達のことはいいですから!早く!』
『残念でした!カレンちゃん!』
『う、うわぁ!』
カレンやカリンを捕まえた糸が慶を襲う!
(もうダメだ、捕まる!)
……ザシュッ!
慶を捕まえようとしていた糸があっという間に切り刻まれて散っていった。
『み、水樹!?』
慶は思わずその名を口にしたが水樹ではなかった。
『大丈夫か?』
そこにいたのは見覚えのある綺麗な銀髪の娘であった。
『君は確か…狩夜さん?』
『ああ、教会の前で会ったな。それと狩夜でいい、さん付けはいらん』
『わ、わかった。』
慶は思わぬ人の登場にビックリしたがそれもつかの間…
『あらあら、誰かと思えば姫ちゃんじゃない♪』
『貴様っ!その名で呼ぶなと言ってるだろっ!』
『い~じゃないっ♪可愛らしくて♪』
『こ、殺すっ!慶っ!そこでじっとしていろ!コイツは私が殺る!』
『あ、ああ。わかった……』
そう言って飛び出して行った。
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