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(慶ったら、私のパートナーになってくれるって言ったのに……)
(ただの恩人とはなんだ!ご、ご飯つぶを食べたクセに!)
(慶さん……)
(お兄ちゃんはカリンのモノなのに!)
それぞれの思いと裏腹に美佳が
『ありがとう、助けてくれて…』
意外と素直にお礼を言われて水樹たちは不器用に笑った。
『ところで慶。ココはドコなの?』
といった美佳の質問に慶は「話せば長くなるけど…」と言って美佳に説明しはじめた。
『じゃあ、私達は未来にいるってこと!?』
『うん、そう言う事になる。』
ようやく納得理解した美佳が驚いた表情で言った。
『それで、手がかりをみつけに明日、水樹たちの学校に行くんだ。』
『水樹?』
美佳が聞き慣れない名前に首をかしげると
『そうだ、自己紹介がまだだったね。コイツは神馬美佳っていって俺の幼なじみだよ。みんなも美佳に自己紹介して欲しいんだけど…』
慶にそういわれ水樹たちは自己紹介を始めた。
自己紹介が終わると「明日は早いしもう眠りましょ!」という水樹の言葉で寝ることにしたのだが……
しばらくして、美佳は少し恥ずかしそうに水樹に尋ねた。
『あの~、水樹さん?』
『水樹でいいよ。ついでにもうそこで寝てる銀髪の子も呼び捨てでいいからね。それで、なに?』
『えっと……、お風呂って今使える?』
『えっ!お、お風呂!!?今から?』
水樹が思わず声をあげた。
『おい、風呂くらいで驚くなよ。姫子はともかく、カリンが起きるだろ。』
慶がそう言うと
『だって!』
水樹が興奮気味で美佳を睨んだ。
『水樹、慶さんや美佳さんは今の時代の風習をよく知らないのだからここは抑えて、ね?』
まだ、起きていたカレンにそう言われて水樹は少し鎮まった。
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