SS集

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『創造』    ついてきてるんだ。ずっと。背後霊みたいに。いつだって俺の後ろにいる。今だって……。    な? 誰もいないだろう? でも確かにいるんだ。感じるんだよ。何をされるわけでもない。迷惑を被るわけでもない。ただじっと見られてるんだ。    どうして君は笑ってるんだい? 俺が可笑しなこと言ってるから? ふん、まぁいいさ。黙って聞いててくれりゃあいい。    あれはそうだな。確か街を出た頃からだった。突然背中に強い視線を感じるようになったんだ。    いや、もしかしたら俺が気付かなかっただけで、ずっといたのかも知れない。俺の人生全てを見られてた気がする。そこで思ったんだ。    ――視線を感じ始めたあの時から世界は始まったんじゃないか、ってね。    笑うなって! でも否定はできないだろ? 確かに俺は母乳で育ったが、そういう記憶を持った存在として、あの日、あらゆる秩序と共に誕生したのかも知れないじゃないか!    で、だ。それ同様、俺の与り知らないところでいきなり世界が終わることだってあるかも知れない、と思わないか? ありえない?    じゃあ君、        早く続き書いてよ。   08/2/2
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