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だが、リュカは露骨に嫌な顔をした。
「(ヴァン様は…なんか裏がある気がする)」
だが、ルークは嬉しそうにわかった!すぐ行く、とメイドに伝えメイドは安堵が篭った返事を返し戻っていった。
「さて、俺たちも戻るか」
ガイが言った。
「そうだな。公爵にバレてまた怒られたくないし」
二人はそう言って窓から出ていった。 二人を見送ってからルークは応接室に向かった。
――――――
「なるほどねぇ……神託の騎士様も大変だな」
応接室での話を聞いたガイが腕を組んで頷いた。
ヴァンの話によるとヴァンはダアトに帰ってしまうようだ。主席総長なんだ。いくら導師がいなくなってよくもまぁそこまで自由に出来たものだと驚くぐらいだ。
「仕方がない」
ヴァンは嘆息した。
「そういうわけだ。暫くは貴公に任せるしかない。公爵や国王、それにルークの――」
「ルーク様!」
少し離れた場所で植木の手入れをしていたペールが叫ぶ。どうやらルークがきたようだ。
「何やってんだ?お前等」
「ヴァン揺将は剣の達人ですからね。少しばかり、ご教授願おうと思って」
な?リュカ、と話を振られて曖昧な返事を返す。
「本当かよー?そんな感じには見えなかったぜ?」
そのとき不意にルークがぼんやりする。いつもぼんやり過ごしているがいつもとは違う。三人は顔を見合わせた。ヴァンは頷いてルークを振り返った。
「―ルーク、どうかしたのか?」
「……」
「ルーク!」
「へ?あ、はい!」
驚いたような顔をしたがヴァンを見て背筋を伸ばす。
「準備はいいのか?」
「大丈夫です!」
ルークはしっかりと頷いた。
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