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「じゃあ俺達は此処で見物させてもらうよ」
「頑張れよルーク」
「へいへい」
ルークの適当な返事を聞いた後二人は少し離れたベンチに腰掛ける。
稽古をしているルーク達を見て遠くで見ている二人は暖かな微笑みを浮かべる。
「ルークも上達したな」
「そうだな…」
その時…
「…?」
「どうした?」
「…声が…う…」
「ガイ!?」
遠くからルークが
「…か、身体が動かな、い……」
喉から搾り出すように言うのが聞こえた。
「これは譜歌じゃ!第七音譜術士が入り込んだのか!?」
ペールの判断は正しい。
「第七音譜術士!?」
「くそっ…警備兵たちは何してんだ!?」
ガイは言いながら石畳に倒れこんだ。何故か何ともないリュカはガイを支える。
ガイは、少し先にいるルークに目をやる。つられてリュカも目を向ける。 その時、まだ少女と思われる女が声を出す。
「ようやく見つけたわ……裏切り者、ヴァンデスデルカ!」
その声がした直後、屋根から中庭に飛び降り、ヴァンの背後に走り寄った。
「覚悟!」
「やはりお前か、ティア!」
二人はいきなり戦いだした。その光景に唖然とするルークは
「何、なんだよ…」
搾り出すような声に二人はハッとする。ルークが立ち上がって手には木剣が握られていた。
「何なんだよ、おまえはぁ!師匠に何してやがんだぁ!」
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