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大坂城
緑は驚いて身を起こす。振り返ると、どこかで見たことのあるような顔の男が立っていた。
驚いて何も言えない緑に、男は
「大丈夫か?」
と更に声を掛ける。
「は、はい…。」
緑は微かに動く口で精一杯の声を出した。すると男は
「ならよい。昨日、町のはずれで倒れているお前を偶然見つけた。……それにしても見たこともない恰好だな。どこの国の者だ?」
と尋ねる。
「こっ、ここはどこですか!?わ、私、家にいたはずなのに…」
緑は男の質問をおいて、逆に問う。男は
「ここは大坂城、秀吉様の城だ。」
と冷静に答える。
「お、大坂城!?な、なんで…」
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