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「な……なに言って……無理に決まってるだろっ!?」
「どうして……?もう貴方の愛人達はみんな居ないわ。残ってるのは私だけ。貴方と私だけ。だからもう私だけを愛してくれるでしょう?」
私はそう彼に迫った。
彼は気分でも悪いのか口許を押え、私を拒絶する様な目で見る。
私はそれにひどく苛立って、目の前の女達を着物の懐に隠していた包丁で刺した。
「どうして……どうして……どうしてっ!!」
包丁の刺さる音と光景に、彼は目を閉じて耳を塞いだ。
私はそれに更に苛立ち、狂った様に女達の死体を刺しまくる。
やがて所構わず刺しまくっていた為か、女の首が切れ、血飛沫が桜と私を赤く染め上げた。
そうして首はひゅるりひゅるりと鳴る風に煽られて、ゆっくりと彼の足元へ転がっていった。
彼は足に何かがぶつかった感触に目を開け、足に当たったのが首である事に気付いた瞬間、悲鳴と共に脱兎の如く逃げ出した。
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