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彼の首から飛び散る血液は
庭を
桜を
私を赤く汚した。
やがて首はころりと取れ
私は手を止めた。
カランと包丁を投げ捨て
彼の首を抱き締める。
「でも……ねぇ?こうすれば誰のとこにも行かない……私を傷付けたりしない……ずっと……私の側にいるよね……だから許してあげる……」
私は彼に頬擦りしながら呟いた。
そんな私の狂った心を代弁するかの様に
彼の血に汚れた石灯籠の灯が
私の側でゆらりと揺れ
桜はなおも風に吹かれて舞っていた。
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