一章 入学式及び強制恐怖体験

4/30
前へ
/46ページ
次へ
T   中学の五倍……いやもっとか?ありそうな大きな校舎。正直言って、構造を覚えられる気がしない。   「自分の学校で迷うのは嫌だなぁ……」   呟いて、ふぅと溜め息。嫌な予感はいつも的中するから、たぶん何度も迷うことになるんだろう。   「入学生の方はこちらにどうぞ」   体育館の中に入ると、また事務員みたいな女の人に呼び止められた。 言われるままに近寄れば、新品の制服の胸に何かを付けられる。   「あ、ありがとうございます……」   青い見たことない綺麗な花の付いた、祝入学と書かれた紙。 普通こういうのは赤い花な気がするけど、何か意味があるんだろうか? ……まあ、魔法学校なんだからなんか違うんだよな、うん。   クラス分けもしらないのにどうやって並ぶんだろうと迷ってると、適当に座って下さいみたいな意味のアナウンスが響いた。 この後発表されるんだろうかととりあえず納得させて、一番隅っこの折りたたみ椅子に座る。 ようやく落ち着いた、と、さっきとは色の違う溜め息。周りを見回す余裕も出来てきた。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

240人が本棚に入れています
本棚に追加