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中学の五倍……いやもっとか?ありそうな大きな校舎。正直言って、構造を覚えられる気がしない。
「自分の学校で迷うのは嫌だなぁ……」
呟いて、ふぅと溜め息。嫌な予感はいつも的中するから、たぶん何度も迷うことになるんだろう。
「入学生の方はこちらにどうぞ」
体育館の中に入ると、また事務員みたいな女の人に呼び止められた。
言われるままに近寄れば、新品の制服の胸に何かを付けられる。
「あ、ありがとうございます……」
青い見たことない綺麗な花の付いた、祝入学と書かれた紙。
普通こういうのは赤い花な気がするけど、何か意味があるんだろうか?
……まあ、魔法学校なんだからなんか違うんだよな、うん。
クラス分けもしらないのにどうやって並ぶんだろうと迷ってると、適当に座って下さいみたいな意味のアナウンスが響いた。
この後発表されるんだろうかととりあえず納得させて、一番隅っこの折りたたみ椅子に座る。
ようやく落ち着いた、と、さっきとは色の違う溜め息。周りを見回す余裕も出来てきた。
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