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「えっと……」
ふと横を見れば、怪訝そうに僕を見る、綺麗な髪をポニーテイルにした女の子。ちょっと話すのは怖いけど、まあなんとかなるかな。
あ、僕のと同じ青い花が付いてる。さっきのあれ、このグループ分けだったんだ。
ようやく謎が解けて緊張も少し解けた僕は、他にいないかと首を微かに回し。
「!!」
不良だ……!
髪の毛茶色い!耳とかなんかくっついてる!
携帯の画面を見詰めてるその人は、僕が人生で二番目に関わりたくない人種だった。
中学の時は不良が怖くて怖くて怖くて仕方なかった。高校では絶対に関わらないようにしようと思ってたのに……!
そっと、因縁を付けられないように目を合わせないように視線を反らす。
苛められませんようにと、他の人は話しやすい人だといいなぁ不良じゃないといいなぁと願望を胸に抱きつつ、辺りを見回し――
「ぅげ……っ」
思わず、喉が痛くなるような声を上げてしまった。
……不良の方がまだ良かった。いや、まだとかじゃないです。大好きです、不良。
「あら、ご挨拶ね」
無表情のまま、腕を組んで立っていた。
――無表情のまま腕を組んで、印南有里は立っていた。
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