銀時計

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癖っ毛な髪は色素が薄く白く。 今では忘れてしまったが、何かの病気の後遺症とかで、眼球の黒い部分が赤くなってしまった。 18歳にも関わらず、背は160に満たない。 そんな少年の名前は、ラヴィン・ディステル。 初対面でさえラヴィと呼ばれてしまう少年は、街一番の図書館に来ていた。 世界中の書物がここにあるとさえ言われている図書館だが、もう一つの言われの方のせいで、人っ子一人近寄らない。 そのもう一つの言われは── 「人食い扉…ね…」 重そうな茶色い扉の前に立ちながら、ラヴィは小さく呟いた。
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