私の大切なおじいちゃん

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散歩の時は、私は三輪車で、おじいちゃんは太い足を短パンからのぞかせて、元気におばあちゃんに 「いってきまーす」 そういって、よく、電車が見えるところまで行ったよね。 夏の生暖かい風を肌に感じ、ギラギラの陽射しなんかものともせずに、元気よく見に行ったよね。 「ほら、オレンジ色の電車がくるよ」 「ほんとだー、おじいちゃん、電車ってはやいね」 いつまでも、飽きることなく見ていた。 帰る頃には、西に日が傾いていて、烏がカーカー鳴き始めていた。
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