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「ゆうちゃん。もう大丈夫だよ。」
笑顔の晴嘉。
そして、嘉方が話題を変える。
「それにしても、さっきの人変だったね。」
「えっ!?」
遊斗が聞き返す。
「だってさ、ゆうちゃんのことナンパするのは仕方ないよ。
ゆうちゃん、美人だし。
けど、私たち、ずっとゆうちゃんと手つないでいたんだよ。
もしゆうちゃんが女の子で、遊びに行くの良いよって言ったら、私たちも連れて行ったのかな?」
……確かに、子供連れの人をナンパするあいつも変だ。
けど、嘉方。
お前、まだ4歳のくせに何そんなしっかりした意見を。
お兄ちゃん、逆にそのことが気になるぞ。
「ん~。遊びに行くなら遊園地行きたい!」
晴嘉がとんちんかんなことを言い出す。
…晴嘉、違うよ。
と思いながらも遊斗は、
これが子供らしい意見だよな。と思った。
よく笑い、よく泣く、子供らしい晴嘉。
子供のくせにしっかりしてて、冷静な嘉方。
同じ日に生まれて、
同じように育ったはずな双子なのに二人の性格は全然違う。
まあそれはそれで面白くて良いのだが…。
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