13人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてその魔力がジャオロに巻き付く鎖の先端まで届いたとき、漆黒の首狩り人はゆっくりと眼を開けた。
「ライトニングチェイン」
漆黒の首狩り人の呟きが聞こえるや否や、辺りを青白い光が包み込んだ。
俺は思わず眼を瞑る。
だが俺は眼を瞑る前に見た。鎖に電撃が走り、ジャオロの頭を焼く瞬間を。
しばらくは眼を開けられなかった。想像を絶する光は、俺の視力を一時的に奪ったようだ。
やっとのことで眼を開くと、そこには異様な光景が広がっていた。
漆黒の首狩り人は先程の位置から動いていないが、ジャオロが大変なことになっている。
ジャオロの首はない。あるのは黒い炭だけだ。傷口の断面まで炭になっているのにはさすがに驚いた。
漆黒の首狩り人は無表情のままジャオロの死骸に歩み寄り、生きてる皮膚から鱗を剥ぎ取る。
それをしばらく見つめると、今度は俺に向かって歩み寄ってきた。
「生きてるか」
俺は無言で首を縦に振った。
「最寄りの町で事情を聞く。いいな」
俺はまた無言で首を縦に振る。
もう賞金のことなんて忘れていた。
最初のコメントを投稿しよう!