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「つまりおまえらはガキ三人が寄り添って生きてるわけか」
「ガキじゃねえ!!それに俺らは血の繋がりのある兄妹だ!!」
俺は頬杖をついて興味なさそうにしている漆黒の首狩り人―――クラリスに怒鳴り付けた。
部屋の隅でぬいぐるみを抱きしめて怯えているのは妹のカナだ。まだ小さいから怯えるのは仕方ない。ぬいぐるみはレナが作ったものだから少しいびつだ。
ちなみにストラは留守にしている。多分盗みの下見に行ってるんだろう。
「カナ、少し外に出てろ」
俺がカナに視線を向けると、カナは小さく頷き、駆け足で小屋を出ていく。
それを確認してから、俺は改めてクラリスを睨み付けた。
「ひとつ質問してもいいか?」
「だめだ」
カナが出ていった扉を見つめながら、クラリスは画然と言い放つ。
いきなり家に押しかけときながらなんてやつだ。
俺は喉まで出かかっていた罵倒を飲み込み、睨み付けることだけで怒りを示した。
だがクラリスはそれを横目で見ると、口の端を不適に吊り上げる。
「悔しいか。なら強くなってみろ。誰にも負けないくらいにな」
それだけ言うと、クラリスは椅子から立ち上がった。
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