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さて、一段落ついたところで自己紹介といこうか。
俺の名はマルス・ローランド。親に捨てられた貧乏少年、双子の妹とその下の妹を護らなきゃいけない悲劇のヒロインだ。
………いや、俺は男だったな。
酒気に満ちた小さな酒場、そこにある掲示板の前に俺は立っていた。荒れた酒場だからかガキがいても気にしされていない。
この掲示板は賞金首や、町の近辺で暴れる魔物の情報等が貼りだされている。
俺がここにいる理由は賞金首を探すためだ。
そりゃたかだか十歳のガキに首が獲れるとは思ってないさ。けど男にはやらなきゃいけないときがある。このままじゃあいつらが餓死しちまう。
俺は無謀とわかりつつも、近くの洞窟で暴れている巨大な蛇の魔物、ジャオロに狙いを決めた。 そんな俺の耳に賞金稼ぎの世間話が飛び込んできた。
普段なら気にしないだろう。だが今回はなぜか気になった。
「知ってるか?最近この辺りに漆黒の首狩り人がきてるって話」
「マジか!?なら俺は狩場変えるかなぁ」
漆黒の首狩り人………最近有名な賞金稼ぎかよ!
俺ももたもたしてられないな。
俺は男の話を聞き終えると、すぐに酒場を飛び出した。
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