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迷路のように入り組んだ洞窟の中、俺は小さなナイフを手にただ黙々と歩いていた。
幸い鉱石がとれる洞窟だったため、ランプが壁に掛けられ暗くはない。
それにしてもおかしいな。行けども行けども魔物が一匹も出てこない。いや、いるにはいるんだが、死体しか見当たらない。
どの魔物も心臓を貫かれて絶命していた。
まあ楽に越したことはないからいいか。
そんな軽い気持ちで、俺は更に奥を目指そうとした――――だがそれはかなわなかった。
突然の地響き、それと共に前方の地面が盛り上がりはじめる。
俺は突然のことに驚き、後退さった。
その間にも地面の盛り上がりは大きくなり、そしてそれが顔を出す。
俺の体の半分ほどもある頭、それは爬虫類のものだ。薄い鱗に覆われた背に、鋭い眼光。見ただけで恐怖感が込み上げてきた。
恐怖は俺のすべてを支配し、逃げたいという衝動を駆り立てる。
………いや、だめだ。ここで逃げたら男が廃(すた)る。
俺は覚悟を決めてナイフを握りなおした。だが巨大な爬虫類、ジャオロは俺に気付いていないのか、すぐにそっぽを向いて壁に頭を突っ込み穴を掘りはじめる。ジャオロの胴が穴から現れ、新しく掘りはじめた穴に吸い込まれていく。
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