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「答えろ。なぜここにいる」
再び声を掛けられ、俺は改めて声の主に目をやった。
俺の背後にいたのは、薄い青色の髪を長く伸ばした女だった。
片眼は前髪で隠れて見えないが、翡翠色の綺麗な瞳だ。服装は漆黒のコートを着ており、袖口からは俺を巻き取っている鎖が伸びている。だが驚くのはその女の容姿だ。見た感じまだ十五歳位にしか見えない。
だがすぐにわかった。こいつは漆黒の首狩り人だ。
「なぜ―――」
漆黒の首狩り人はまた口を開いたが、すぐに口をつぐむ。
ふと振り返ってみると、そこにはジャオロが穴から顔を出してこちらを見据えていた。尻尾と頭が穴からでている形で、胴は穴の中だ。
「退け」
漆黒の首狩り人は俺に向かって吐き捨てると、鎖を袖にするすると引っ込めた。内蔵が圧迫感から解放される。
だが今の言葉は納得がいかない。
「ふざけるな!俺の獲物だぞ!」
俺の横を通ってジャオロへと向かう漆黒の首狩り人が脚を止め、俺をじろりと睨んだ。
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