恋愛下手な彼女の場合

白線流し

彼の為に彼女は相応しい女性になろうと一生懸命、努力した。彼女は高校を卒業したら彼に告白をしようと心に決めた。

女子高に通う彼女は、彼以外の男性には興味を持たず、合コンに行った同級生を羨ましいとも思わず、ただひたすら彼の事を思い続けていた。

女子高卒業。

これでやっと告白が出来ると彼女は彼の元へ向かった。

しかし、彼女にはつらい現実が待っていた。

彼には２年前から付き合っている彼女がいて、その子のお腹には赤ちゃんが…。今年、結婚すると言う事だった。

正式に付き合っていた訳でもないから、彼に彼女が居てもおかしくはない。

『ただ告白するのが遅かっただけ…。』
『彼が幸せならそれでいい。』

彼女は寂しさを紛らわす為に、自分にそう言い聞かせた。

彼女は夢の様な恋愛に憧れ過ぎていたのかもしれない。