プロローグ

4/5
前へ
/450ページ
次へ
「………………ん?」     瞳を開いたエリザは、驚いて身を起こした     どうやら眠ってしまっていたようだ     慌てて起き上がるエリザ、辺りは森、目の前にはお世辞にも綺麗とは言えない粗末な墓     エリザにとって、命の恩人であり、あらゆる事に対しての恩師である人物の墓だ     涙で晴れ上がった瞼(まぶた)から、これ以上液体が流れない様にと、エリザは乱暴に目を擦った     「………あたしは、まぁ、まだ子供だけど」     エリザは一呼吸おいて、呟く     「世の中なんて解らないけど、あたしにとって何が正しいか、解ってるつもり………です」     そして、エリザは力の限り笑った     「あの馬鹿兄ぃはどうせ、ここにまた来るだろうけど、あたしはあたしの目的を終えるまでは、ここに来ないつもり、です、けれど」     エリザは墓に置いてあった、天使を模したロザリオを手にとり、首に下げた     「必ずまた来ます、そんで、これ、必ずかえしますんで」     そして、エリザは深く頭を下げて、身を翻した       「さぁて、いざ!出発!!!」     気合いを入れる様に拳を振り上げたエリザ、しかし、その直後     「ぶぎゃあああああああああああ!!!」       坂道で足を踏み外し、無様にころげおちるエリザの間抜けな悲鳴があたりに響いた。image=126156236.jpg
/450ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加