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「………………ん?」
瞳を開いたエリザは、驚いて身を起こした
どうやら眠ってしまっていたようだ
慌てて起き上がるエリザ、辺りは森、目の前にはお世辞にも綺麗とは言えない粗末な墓
エリザにとって、命の恩人であり、あらゆる事に対しての恩師である人物の墓だ
涙で晴れ上がった瞼(まぶた)から、これ以上液体が流れない様にと、エリザは乱暴に目を擦った
「………あたしは、まぁ、まだ子供だけど」
エリザは一呼吸おいて、呟く
「世の中なんて解らないけど、あたしにとって何が正しいか、解ってるつもり………です」
そして、エリザは力の限り笑った
「あの馬鹿兄ぃはどうせ、ここにまた来るだろうけど、あたしはあたしの目的を終えるまでは、ここに来ないつもり、です、けれど」
エリザは墓に置いてあった、天使を模したロザリオを手にとり、首に下げた
「必ずまた来ます、そんで、これ、必ずかえしますんで」
そして、エリザは深く頭を下げて、身を翻した
「さぁて、いざ!出発!!!」
気合いを入れる様に拳を振り上げたエリザ、しかし、その直後
「ぶぎゃあああああああああああ!!!」
坂道で足を踏み外し、無様にころげおちるエリザの間抜けな悲鳴があたりに響いた。
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