二節

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走っていたエリザとアルは、町人が多い大通りに飛び出した     「む………」     しかも、なんだか囲まれてる雰囲気だ     背後から追って来ている兵士達を見て、エリザがトンファーを取り出そうとした瞬間     「!」     人混みから一人の男が飛び出し、アルを襲う     「あれ?君は………グエン!?」     アルに襲いかかってきたのは、グエンだ     手には大剣を握って、好戦的な笑みを浮かべている     対するアルは、なんかオロオロしている     「よぉ……てめぇが死を運ぶ黒き風、か」     グエンは笑みを好戦的な笑みを浮かべたまま、兵士達に手を出すなと言わんばかりの視線を送る     「ま、まさか………」     エリザは驚愕の表情を浮かべる     「まさか、仲間のあたしらのピンチを助けるために………」     「どこをどう見たらそう見えるんだよ!!!」     こんな状況でもツッコミを絶やさないグエンに、エリザはなんだか感心している     「まぁ、冗談はさておき………グエン、あんた正規の兵じゃないよね?なによう?」     グエンは笑みを浮かべたまま、決まってるだろ?と呟く     「オレは雇われの傭兵をやっててな………まぁ、戦いが好きなんだよ」     そして、グエンは大剣をアルに向ける     アルは、ヒッ、とか情けない声をあげている     「最近、強い奴が全然いなくて退屈してたんだよ、そこにてめぇが現れた」     あたしも現れたぞ、と呟くエリザを無視して、グエンは話しを続ける     「死を運ぶ黒き風………相当、強いそうじゃねぇか」
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