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走っていたエリザとアルは、町人が多い大通りに飛び出した
「む………」
しかも、なんだか囲まれてる雰囲気だ
背後から追って来ている兵士達を見て、エリザがトンファーを取り出そうとした瞬間
「!」
人混みから一人の男が飛び出し、アルを襲う
「あれ?君は………グエン!?」
アルに襲いかかってきたのは、グエンだ
手には大剣を握って、好戦的な笑みを浮かべている
対するアルは、なんかオロオロしている
「よぉ……てめぇが死を運ぶ黒き風、か」
グエンは笑みを好戦的な笑みを浮かべたまま、兵士達に手を出すなと言わんばかりの視線を送る
「ま、まさか………」
エリザは驚愕の表情を浮かべる
「まさか、仲間のあたしらのピンチを助けるために………」
「どこをどう見たらそう見えるんだよ!!!」
こんな状況でもツッコミを絶やさないグエンに、エリザはなんだか感心している
「まぁ、冗談はさておき………グエン、あんた正規の兵じゃないよね?なによう?」
グエンは笑みを浮かべたまま、決まってるだろ?と呟く
「オレは雇われの傭兵をやっててな………まぁ、戦いが好きなんだよ」
そして、グエンは大剣をアルに向ける
アルは、ヒッ、とか情けない声をあげている
「最近、強い奴が全然いなくて退屈してたんだよ、そこにてめぇが現れた」
あたしも現れたぞ、と呟くエリザを無視して、グエンは話しを続ける
「死を運ぶ黒き風………相当、強いそうじゃねぇか」
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