三節

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いそいそと着替ながら、ふとエリザは鏡で自分の背中を見る     子供の頃につけられた傷と、右肩の烙印…………     「むぅ~……なぁ~んでこれ消えないかなぁ~……」     まったく、花も恥じらう乙女に変な傷痕つけちゃってと不機嫌に呟いて、エリザは部屋を出た     「さぁて、朝食朝食ぅ~♪」     元気よく駆け出すエリザ、階段を降りようとしたその時     エリザの足が突如滑る     「ぶぎゃぎゃあぁぁぁあああ!!!」     階段を盛大にころげ落ちるエリザを、同じく自分の部屋から出てきたグエンが、呆れた様に呟いた     「……………バナナの皮で滑ってこけた奴を、初めて見たぜ」     珍しい物を見たなと思いながらも、何故こんなところにバナナの皮が落ちているのかとも考えてみたが、どうでも良かったのでその思考を中断した。
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