三節

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「あれ?そういえばスケベ鳥は?」     キョロキョロ辺りを見回すエリザに、アルは微笑みながら言った     「レイブンなら、ナンパだよ」     それを聞いて、エリザはうんざりした顔になる     「あんのスケベ鳥………」     「ナンパ…………?」     顔をしかめているグエンに対し、エリザはもの凄く不機嫌な顔を向ける     「そ、ナンパ………スケベ鳥はスケベで、人間の女の子に声かけるんだとさ」     それを聞いて、グエンは更に顔をしかめた     「…………鳥なのにか?」     「そっ!鳥なのにっ!」     不機嫌そうなエリザをよそに、グエンは成程なと呟く     普段は気弱な趣味の悪い殺人快楽者     よくこける常識破りな意味不明な馬鹿女     言葉喋る、一見真面目そうなナンパ鳥     別に自分がまともだとは言えないが、グエンはなんとなく自分が一般人な気がしてきた     「…………あのカラスは、もっと真面目な奴だと思ったんだがな」     グエンはぼそりと呟いた。
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