三節

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「あぁぁぁ! まったくあのスケベ鳥!」     朝食の最中、怒った調子でエリザはアルの頼んだ海老フライをひとつ奪い取る。     アルはそれを見ながら、ああ、と切なそうに呟く     「まったく………うん、この海老フライ美味しいな、グエンのもちょうだい」     言うが早いか手が速いか、エリザはグエンの海老フライも奪い取る     「てめぇなにしやがるっ!」     当然怒るグエンに、奪った張本人のエリザがまぁまぁとか言いながらなだめる。     「たかだか海老フライ一個じゃあないか、そんなに怒んないでよ」     奪った張本人に言われて、額に青筋が浮かぶグエンだったが、その表情に笑みが浮かんだ     「そうだな、たかだか海老フライひとつだな…………ならよ」     グエンはフォークを握り締め、エリザの海老フライに向けてフォークを動かした     「オレが盗っても文句ねぇよなぁっ!?」     「だが断わる!」     グエンのフォークが海老フライに届く前に、トンファーでグエンを殴りつけて海老フライが奪われるのを防いだエリザは、ふふんと勝ち誇った笑みを浮かべる     「あたしの…………勝ちだ」     グエンはゆっくりと立ち上がりながら、大剣を握り締めた     その光景を、アルはオロオロしながら見ていた。
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