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「あぁぁぁ! まったくあのスケベ鳥!」
朝食の最中、怒った調子でエリザはアルの頼んだ海老フライをひとつ奪い取る。
アルはそれを見ながら、ああ、と切なそうに呟く
「まったく………うん、この海老フライ美味しいな、グエンのもちょうだい」
言うが早いか手が速いか、エリザはグエンの海老フライも奪い取る
「てめぇなにしやがるっ!」
当然怒るグエンに、奪った張本人のエリザがまぁまぁとか言いながらなだめる。
「たかだか海老フライ一個じゃあないか、そんなに怒んないでよ」
奪った張本人に言われて、額に青筋が浮かぶグエンだったが、その表情に笑みが浮かんだ
「そうだな、たかだか海老フライひとつだな…………ならよ」
グエンはフォークを握り締め、エリザの海老フライに向けてフォークを動かした
「オレが盗っても文句ねぇよなぁっ!?」
「だが断わる!」
グエンのフォークが海老フライに届く前に、トンファーでグエンを殴りつけて海老フライが奪われるのを防いだエリザは、ふふんと勝ち誇った笑みを浮かべる
「あたしの…………勝ちだ」
グエンはゆっくりと立ち上がりながら、大剣を握り締めた
その光景を、アルはオロオロしながら見ていた。
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