三節

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「てめぇくされ女………調子に乗ってんじゃねぇぞ」     大剣を構えるグエンに対して、エリザは余裕の表情で言った     「あたし達が乗っているのは、調子じゃなくて地面さっ!」     グエンの頭の中が、怒りのあまり逆に冷静になった     「ガキ」     「……………なんだって?」     ガキという言葉に敏感に反応するエリザ、机を叩きながら勢い良く立ち上がった。     「あたしのどこらへんがガキだっ!」     ガキと言われて怒るあたりがガキなのではないだろうかとアルは考えるが、それを口に出す勇気は無い     「ピーピーやかましいんだよ、ちったぁ黙りな」     ムキィ! と吠えながらグエンに殴りかかろうとするエリザ、しかし     「ぶぎゃあ!」     イスにつまづいてこけるエリザ………それを見ながらグエンは笑みを浮かべる     やっぱりこうなったな、と口に出さずとも、アルは感じとった。
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