三節

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「ぐ………くそう」     よろよろと立ち上がるエリザを、呆れた様子で眺めて、グエンは溜め息をひとつ。     「おら、恥ずかしいからさっさと立ち上がれ正義もどき」     それを聞いて、エリザはドンッ!とじたんだを踏む     「あたしは正義の味方だ!」     こいつを見て、何人程度正義の味方と答えるだろうかとグエンは考える     ………………意外にたくさんいたら、世も末だな。     「あの………」     「ふぇ?」     エリザ達のもとに、一人の女性が不安気に歩みより、遠慮勝ちに声をかけてきた。     「正義の味方って、聞いたんですけど…………」     エリザは間抜けな顔を見せた直後、異様な笑顔を見せた。     「そのとうり! あたしは正義の味方だよっ!」     握り拳で胸を叩きながらそう言い張るエリザを見ながら、嘘つけよとグエンは呟く     ―――――運が良いか悪いか、その呟きは特に誰にも聞こえなかったらしい。     ちなみに、アルはご飯を食べるのに夢中だ。     「で、でしたら、お願いがあるんです!」     女性は少し声を荒げた。
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