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「ぐ………くそう」
よろよろと立ち上がるエリザを、呆れた様子で眺めて、グエンは溜め息をひとつ。
「おら、恥ずかしいからさっさと立ち上がれ正義もどき」
それを聞いて、エリザはドンッ!とじたんだを踏む
「あたしは正義の味方だ!」
こいつを見て、何人程度正義の味方と答えるだろうかとグエンは考える
………………意外にたくさんいたら、世も末だな。
「あの………」
「ふぇ?」
エリザ達のもとに、一人の女性が不安気に歩みより、遠慮勝ちに声をかけてきた。
「正義の味方って、聞いたんですけど…………」
エリザは間抜けな顔を見せた直後、異様な笑顔を見せた。
「そのとうり! あたしは正義の味方だよっ!」
握り拳で胸を叩きながらそう言い張るエリザを見ながら、嘘つけよとグエンは呟く
―――――運が良いか悪いか、その呟きは特に誰にも聞こえなかったらしい。
ちなみに、アルはご飯を食べるのに夢中だ。
「で、でしたら、お願いがあるんです!」
女性は少し声を荒げた。
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