三節

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「お願い?なになに?」     子供(ガキ)な雰囲気丸出しにしながら、エリザは女性を見上げる。     「実は………私のお母さんが重い病気なんです」     ふんふんと呟き頷きながら、続きを促すエリザに、女性はまた遠慮勝ちに話しを続ける。     「お医者様に診せるお金も無くて………それで、私の妹が近くの森に薬草があるって聞いたんです」     なるへそ! と軽く叫びながらエリザは両手を叩く     その女は真剣に話してるぞ。 お前も真面目に聞けよとグエンは思うが、まぁ馬鹿(エリザ)的には真面目に聞いてるんだろうなとぼんやりと考える。     「つまり、妹さんが森に勝手に入ってしまって、そんで帰って来ないとかそんな感じなわけだ!」     「は、はい」     頷く女性を見ながら、エリザはまかせなさいと胸を叩く     「必ず妹さんを連れて帰るよ!」     ちなみにアルは会話の流れそっちのけで食事に夢中だ。
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