三節

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グエンとアルが小屋に着いた時、エリザは小屋の入り口の前でぼうっ………と立ち尽くしていた。     「どうした?」     グエンが尋ねて小屋の中を覗きこむと、その例の妹だろう、少女がいた。     体を縄で縛られた状態で、気を失っているらしく、グッタリしている。     その様子を見ながら、うむ、と口許をおさえながらエリザは呟く。     「お楽しみのびふぉあーか、それともあふたぁか…………」     服はちゃんとつけてるとこ見ると、びふぉあーだよねとグエンを見上げるエリザに、アホかとグエンはツッコミを入れる。     その後ろの方で、アルは小屋の中を見ようとしているが、体のでかいグエンに遮られて見えない為に、背伸びしたりしている。     「とにかく、ほどこっか、縄」     小屋の中に入ろうとしたエリザ、その瞬間     「おめぇらそこでなにやっちょるだかぁ!」     男声の罵声が響いた。
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