チップ2

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女が質問を書き終わると、いきなり扉が開いた。 扉から出て来た1人の男。 どこにでもいそうな顔の男だが・・目だけは・・冷たい・・いや・・その目だけで凍りついてしまう・・嫌な目をしていた。 「安岡空。ついてこい。」 男は紙をとり、それだけ言うと扉から出て行った。 女はどことなく自分と男を重ねてしまった。 (あの目・・・私もあんな目をして生きていた。) 安岡はその時初めて[人]に興味が湧いた。 女は男を追いかけるように隔離された部屋から出て行った。 何をさせられるのか。 そんな考えは今の女にはなかった。
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