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女は無言のまま男について行く。
男も無言のまま前を歩いていた。
長い廊下。
その周りには沢山の扉が並んでいた。
[恐らく・・私がいた部屋みたいな場所だろう。]
女はそう感じ取った。
男の足が廊下の終わりを告げる一つの扉の前で止まった。
そして振り返り、女に鍵を投げた。
女はそれをうまく取り首を傾げた。
「あんたの部屋の鍵だ・・・・もっとけ」
男はそう言うと直ぐに扉を開いた。
そして男は顎を使い、[入れ。]と合図した。
女は男の目を一度みて、クスッと笑い、黙って扉の奥へと歩き出した。
男の目はさらに冷たい目になっていた。
「何がおかしい?」
女は何も言わず扉の奥に入っていった。
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