チップ4

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川瀬はトランプチップの事を最初から知っている。 そう安岡は感じ取っていた。 無言のまま煙草を吸っていた安岡は煙草を置き川瀬に話しかけた。 「川瀬さん。あなたはどおして此処に?」 煙草の煙を吐き出し川瀬は安岡をみた。 「そうね・・・やっぱりお金かしら」 川瀬はゆっくりと微笑んだ。 「安岡さんは?落ち着いてるみたいだし・・トランプチップって知ってて此処に来たんでしょ?」 「私は・・・売られた方かな・・・」 「嘘?凄く落ち着いてるから・・てっきり・・」 「そうかしら?それより・・・もう直ぐ始まるゲームで何か知ってる事はない? 「私もそこまでは知らないのよね・・そうだ!同じグループになれば私と手をくまない?」 川瀬は微笑む。 安岡は川瀬の笑顔の裏側を覗きこみ・・・ある人物と重ね合わせる。 [面白い・・。人を騙すための熟練された笑顔。] 安岡も微笑み、「いいわよ」・・そう答えた。 安岡は煙草を取りゆっくりと吸い出した。
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