運命

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有り難う ごめんね 世界中のどんな言葉を以てしても伝えきれない感謝と謝罪の気持ち 殺してやりたいくらい、憎んで 記憶喪失を望む程の汚点であり、屈辱的な過去 後悔なんてもんじゃないだろう 本当にごめん。 …でも、俺は忘れないから 君があの時だけでなく、俺の存在までも忘れていつか、今度は本気で大好きな、大切人と結婚して子供が出来て、時を重ねて行ったとしても 俺は、絶対に忘れない いつか息絶えるその瞬間まで 君を好きになって 初めて人を『愛した』日々 君を思って笑ったことも泣いたことも悔やんだことも、死ぬ程に、苦しかったことすら 幸せだったと思って死にたい。 もし何年か、何十年後か、君に逢えたら もし、奇跡が起こるなら もしその時、まるで昨日別れたかのように声を掛けられたら ごめんね 忘れることで君が楽になれるのなら 忘れていいよって思ったのは嘘じゃないのに 何処かで 忘れないでって思う自分がいる 全てを覚えていなくてもいい。 桜が咲く…あの季節にだけ あぁそういえばあんな奴も居たなって思ってくれたら それで幸せだから 卒業して 進学して 皆別々の道を歩いて局俺と君の道は交わらなかった 只それだけなのかもしれない それぞれの道を選ぶことが それが二人の決めた事 こうなることが最初から決まってて、その過程に別れがあっただけかもしれない 例の書籍化された携帯恋愛小説の彼氏サイドの本に書いてあった。 別れはカミサマから与えられた最高のご褒美。 カミサマは人間に幸せをつかみ取らせようと、常に出来るだけ大きな幸せを探してくれている。幸せが見つかったとき、カミサマは幸せに慣れて見失うことないよう、人間に別れという手助けをする。 それは一つの手段である。 別れを体験することによって、見失っていた幸せに気付くことができる。だからこそ次からは、同じ過ちは繰り返さない。 別れは「頑張れ」と背中を押してくれているカミサマの手のひらであり、また、次に新たな何かに出会うための準備期間でもある。 別れが辛く苦しいのは、そのあとに生まれる幸せをより鮮明に感じさせるためなんだ…。 俺の最高の幸せは 美季に出会えた事だったな…とか 今更になって気付く辺りどうかと思うけど…  
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