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終章 人魚姫の涙
人魚姫は、海に帰ると、涙を流しました。
本当は少し好きだった…
最期は自分で殺してしまった…
人魚姫は泣き続けます。
王子のシャツを抱き締めて…
しかし、人魚姫がお城へ戻ることはありませんでした。
ゴポッ
ゴポゴポゴポッ
人魚姫の体も、泡になり始めたのです。
「リバウンドね…」
彼女の死を悟った、双子の魔法使いの姉が呟きました。
短剣を長く持ちすぎたせいで、彼女の体は溶けて泡になり始めたのです。
双子の魔法使いの妹が、人魚姫の遺泡を集め始めました。
「あら?」
双子の魔法使いの妹は、違和感を覚えました。
遺泡にまじって、真珠が出てきたからです。
姉は、それを見ると呟きました。
「きれいね…」
その真珠は、純粋に綺麗なブルーだったのです。
深い深い悲しみのブルー…
その真珠は今も海のどこかで眠っている…
~END~
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