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人魚姫は、意識が遠のいていくのを感じました。
そして絶望しました。
しかし…
カツン…
あの双子の魔法使いが持たせてくれた短剣が、指先に触れました。
人魚姫はすぐさまそれを手にとると、鞘から抜きました。
そして、王子の胸におもいっきり短剣を突き立てました。
王子の力が少し弱くなりました。
それに気が付いた人魚姫は、再び短剣を抜くと突き立てました。
グジュッ
ズチュゥ
ヌヂュッ
何度も何度も、人魚姫は短剣を突き立てました。
王子の力は、そのたびによわくなりました。
そして、ついに人魚姫の首から手をはなしました。
人魚姫はすぐさま、王子を突き倒すと、心臓に短剣を突き立てました。
血が噴水の様に王子の体から吹き出しました。
王子は絶命しました。
人魚姫が息を整えていると、王子の体が、溶けて泡になり、消えていきました。
後に残ったのは血で斑模様になったシャツとズボンでした。
人魚姫は、それらを胸に抱くと海へと帰って行きました。
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