たまこといっしょ

どのくらい時間がたっただろう。

泣きすぎたからなのか、頭がズキズキした。

僕は体を丸めて、顔を膝の間に挟んで座りこんでいた。

目に入っているのは床と自分の足の指だけなはずなのに、頭の中ではたまこの顔が浮かんでは消えていく。

遠くで何か音がした気がしたけど、玄関で泣いていた父親が帰ったのかもしれないし、そうじゃないのかもしれなかった。

大体今の僕にはそんなことどうでもよかった。

目のまわりが痒い。

涙は塩分が含まれてるらしいから、乾いた涙が塩に変わって肌を痒くさせてるのかな。

別に、それもどうでもいいけど。

あれ。

部屋の外から足音が聞こえた。

誰かの足音は部屋の前まできて止まった。