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こうして僕らは、また一緒に暮らし始めた。
僕を引き取りにきた父親とは、今まで通り一年に数回の手紙のやりとりをしている。
別に嫌いでもないし、大好きなわけでもない。
ただ、彼がいなければ僕は存在していない。
それだけは事実だ。
そういえば、たまこは僕に最近よくこう聞くようになった。
「しんちゃんはどうしたい?」
なんでも勝手に選択して決めていた、たまこにしてはすごい進歩だと思う。
でも、僕が答えにつまっていると
「どっちでもいいなら、こっちにするよ」
とすぐに決めようとする。
そんな時、よく僕は苦笑いをしながらたまこに選択を委ねる。
まったく..
僕はこんなたまこを母親に選んでこの世に生まれてきたことを
今もこれから先も、ずっとずっと、誇りに思って生きていく。
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