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モクモクモクモク…
テーブルの釜が煙をあげる。
店長が高温の蓋や網を慎重に外し、中を調べる。
うちの店の釜には換気扇がついているのでほとんど煙が上がらずそのためニオイも少ない。
しかしそれは中についていて、換気扇の蓋が急に閉まることがある。
その時は一度釜を分解しなければならない。
いきなり煙が上がったかと思えば店員が釜を分解し始める。普通なら怒ったり不機嫌になってもおかしくない。
だがこのお方は違う。
お客
「ゲホ…凄い煙が…目に染みる…。
見て見ろ直人、わしのこの涙を。まるで女にフラれた後のようだ」
俺『そんなこと言われると……その気になっちゃうじゃないですか。俺もらい泣きしやすいんですから…。
もう女なんていらねぇ❗と思いつつまた誰かを好きになるんですよね…本当恋は悲しいです』
お客
「それは人間いくつになってもそうだ…」
俺『店長❗手元が震えてますよ⁉💦危ないですよ落ち着いて💦』
店長「わ、笑いが…」
いきなり煙の上がったテーブルを、何の騒ぎだと見つめていた左右隣りのお客さんもこっそり聞き耳を立てているのであろう。箸の動きがきごちない。
うちの店長は28歳の女性だ。
お客
「すまんのぉ、若い女の人の手をこんなに黒くさせてしまって…」
俺『いえいえどんでもないです。こちらこそ申し訳ございません』
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